MotoGPのタイヤはミシュランのワンメイク
MotoGPはバイクレースの最高峰と言えるカテゴリーで、まさに世界トップのレーサーとマシンが集結します。
バイクは4ストロークのNAエンジンで、1000ccという規定がなされています。
メーカーが持てる技術とアイディアを詰め込んだ最高のマシンに仕立ててきますので、最高時速350kmを軽く超えるスピードでのシビアな闘いが繰り広げられます。
いくつものサーキットを巡回しますので、それぞれの場所の路面や天候、コースセッティングなどに合わせていく必要があります。
だいたい110kmオーバーの走行となり、40分くらいの時間走り続けます。
性能をフルに発揮しての走行となりますので、マシンへの負担は非常に大きなものとなります。
そして、こうしたマシンと路面をつなぐのがタイヤです。
ある意味では、タイヤが最も過酷な状況に置かれているとも言えるでしょう。
MotoGPでは、タイヤはワンメイク制度を採っていて、2016年シーズンからはミシュランが扱っています。
公式サプライヤーとして他のメーカーとの競争が生じない状況となっていますが、毎年素材や構造などの分析と開発を行っていて、新しいタイヤを送り出してきています。
時速350kmを超える走行に耐えられる耐久性と共に、ライダーを転倒などから守る安全性を確保するため、ミシュランの意地にかけて最高のタイヤが毎年供給されているのです。
ミシュランタイヤの仕様
MotoGPでは、ドライコンディション用とウェットコンディション用の2種類が供給されることになっています。
ドライタイヤは「Power Slick」というタイヤで、ウェットタイヤは「Power Rain」というものです。
どちらもサイズはフロントが12/60-17で、リアが20/69-17となっています。
そして、それぞれに硬さの異なるタイヤが用意されています。
ドライ用にはハードとミディアム、ソフトの3種類が、ウェット用にはミディアムとソフトの2種類が供給されることになっています。
これらの使い分けはチームがその時々の条件を見て判断することになりますが、タイヤの側面にカラーバンドがあるので一目で分かります。
たとえば、ドライ用のハードは黄色、ミディアムは黒、ソフトは白色となっています。
ウェットタイヤは、ミディアムが黒色、ソフトが青色です。
こうしたカラーバンドの違いも知っておくと、チームがどのタイヤに交換したのかが分かって、レースの展開がさらに楽しくなるはずです。
MotoGPでは各ライダーに対するタイヤの使用規定があり、ドライ用はフロントが15本、リアが12本、ウェットタイヤはフロントが10本、リアが12本のみ確保できることになっています。