ヘリテージ・カップとは?
ヘリテージ・カップとは、Moto Americaロードレーシングシリーズを主催するモト・アメリカが、2020年から新たに開催する旧車のスーパーバイクによるレースです。
アメリカではロードレースの人気が昔と比べて下降気味の昨今ですが、その状況を打破しようという試みの一つと見られます。
最新のマシンよりも1970年代や80年代のバイクに注目が集まるのは、ライダーの年齢が上がっていることもあって、日本もアメリカも変わりはありません。
日本でも「テイスト・オブ・ツクバ」という70年代以降の4気筒車のレースが筑波サーキットで開催されています。
こちらの方が全日本ロードレース選手権よりも盛り上がるというほどですから、アメリカでもヘリテージ・カップが盛り上がればモト・アメリカの主催する他のシリーズにも注目が集まるとの考えがあるのでしょう。
発表によると、ヘリテージ・カップは年に3戦が行われることになっています。
2020年の場合、モト・アメリカのシリーズの第4戦に当たる「ロード・アメリカ」が5月にウィスコンシン州のエルクハートレイクで開催されましたが、ヘリテージ・カップの初戦も同時に併催されることになりました。
また、モト・アメリカの第6戦に当たる「ウェザーテック・ラグナ・セカ」(カリフォルニア州モンタレーで7月に開催)と同時に開催予定と発表されたのが、ヘリテージ・カップの第2戦でした。
さらにモト・アメリカの第8戦、8月に行われたインディアナポリスモータースピードウェイにて、ヘリテージ・カップの第3戦開催というのが初年度のスケジュールです。
ニッキー・ヘイデン亡き後、アメリカのライダーがなかなかMotoGPで活躍できていませんが、それもロードレースの人気が下降している一つの原因でしょう。
ヘリテージ・カップに注目が集まることで、過去の王者の偉大さに改めて気づくとともに、ロードレース自体の人気復興のきっかけとなるかもしれません。
ヘリテージ・カップのレギュレーション
ヘリテージ・カップは旧車によるレースですので、新しいマシンでは走れません。
公式サイトによると、走行できるのは1986年以前に製造されたスーパーバイクとのことです。
そういうマシンの所有者やライダー、そのほか、MotoGPマシンやプロダクションレーサー(市販車がベースのレース用マシン)の所有者やライダーを募集しています。
つまり、ヘリテージ・カップに参加するには自ら立候補してアピールする必要があるようです。
履歴書と写真、マシンの履歴などが応募書類としてアナウンスされているため、単に古いマシンというだけでなく、往年のAMAロードレースを再現できるようなマシンとライダーが求められていることがわかります。