FIM世界耐久選手権とはどんなレース?
FIM世界耐久選手権とは、国際モーターサイクリズム連盟(FIM)の統括するバイクの耐久レースです。
正式名称は「Endurance World Championship」で、略して「FIM EWC」と呼びます。
長時間に及ぶ耐久レースですので、短時間のレースと違って複数のライダーが交代で走行するのが大きな特徴です。
また、1戦だけで勝負が決するのではなく、計5か所に及ぶ世界中のサーキットを転戦します。
なお、日本では真夏の一大イベントとして有名な鈴鹿8時間耐久ロードレースもFIM EWCに組み込まれています。
ほかにも、オッシャースレーベン8時間耐久ロードレース、ボルドール24時間耐久ロードレスやル・マン24時間耐久ロードレースもその一部です。
2019年からは、マレーシアにあるセパン・インターナショナル・サーキットで開催される8時間耐久ロードレースもFIM EWCに加わりました。
FIM EWCの特徴として複数のライダーが交代で走行すると述べましたが、そのため、バイクレースでは珍しいピットインがあります。
そこでライダーの交代や燃料補給、また、タイヤ交換なども行います。
走行中にマシンが動かなくなるようなアクシデントに見舞われても、すぐにリタイアとはなりません。
ピットまでマシンを押していって、再調整した後に復帰するという光景も見られます。
もう一つ、FIM EWCには大きな特徴があります。
それはスタート方式で、ライダーがバイクにまたがった状態でスタートするのではなく、コースの逆側から合図と同時に一斉にマシンに駆け寄りスタートします。
これを「ル・マン式スタート」と言いますが、FIM EWCの呼び物の一つです。
8時間以上に及ぶ耐久レースですので、ライダーにはスピードを競う短時間のレースとは異なる力が要求されます。
運転技術はもちろん必要ですが、集中力や精神力、そして、何より体力が大きく問われるでしょう。
FIM EWCのポイント方式
FIM EWCでは、順位に応じてポイントが与えられ、その合計点で勝敗を決める方式となっています。
8時間耐久レースでは、1位に30ポイント、2位に24ポイント、3位に21ポイント、12時間超24時間までのレースは、1位に40ポイント、2位に33ポイント、3位に28ポイントなどという具合です。
4位以下も、順位に応じてポイントが与えられます。
FIM EWCの出場チーム
FIM EWCへの出場は、スーパーバイク世界選手権(SBK)やロードレース世界選手権(MotoGP)ほどハードルが高くなく、いろんなチームが参加しています。
レース開催地の地元チームが、地元のレースだけに出場するというパターンも多いです。
ホンダのワークスなど有名なチームも出場していますが、部品メーカーのYOSHIMURA(ヨシムラ)が出場し、名を挙げたことでも知られています。