フロントフォークからオイルが漏れている

フロントフォークのオイル漏れのリスクと原因

フロントフォークは、ごく一部で特殊な構造を持っているパーツがありますが、ほとんどは油圧式です。
そのため、オイルが漏れたままの状態で走行を続けているとショックを吸収できなくなってきます。
段差を越える時やコーナー時にかかるGなどで強い衝撃を感じるようになるので、調子が悪くなっていることはすぐに分かります。

さらに、継ぎ目あたりからオイルの染みや、下部に垂れた跡などが認められることもあります。
すぐに修理をしないとフロントフォーク自体が破損してしまいますし、衝撃によって他のパーツに悪影響を与えることがあります。

フロントフォークからオイルが漏れると、そのオイルが周りに飛び散ることになります。
フロントフォークにはブレーキが隣接していますので、ブレーキパッドなどにオイルが付着すると、滑って制動力が極端に落ちます。
下手をすると大きな事故につながりかねません。
また、タイヤにオイルが付いてスリップの原因となることもありえます。

フロントフォークからオイルが漏れる原因の1つは、オイルシールの劣化です。
オイルシールは油圧部分の封をするもので、いわばフタが劣化することで内部の圧力に耐えきれなくなり、染みてきたりひび割れから漏れたりするのです。
経年劣化が一番大きいですが、素材が大きな温度変化などによって劣化することもあります。
さらにダストシールの方が先に駄目になり、そこから砂などが入り込んでオイルシールを破損させることもあります。

もう1つの原因は、インナーチューブの錆びです。
インナーチューブは固定されているため、常に同じ場所をこする形となります。
ここに錆がが出ると、オイルシールにいつもあたってしまい破損につながるのです。

フロントフォークの修理方法

フロントフォークからオイル漏れを発見したら、速やかな対処が必要です。
自然と治ることはないからです。
まずはオイルシールのみの問題なのか、インナーチューブが劣化しているのかを確かめる必要があります。
どちらにしても、フロントフォークの分解をしなくてはなりません。

その上で、オイルシールの交換をします。
インナーチューブの問題であれば、軽度の錆で済んでいるケースでは研磨で対応できます。
劣化がだいぶ進んでいる場合は、インナーチューブ自体の交換が必要となります。

その後、他の細かな部品の摩耗状況などを見て、必要に応じて交換すると共にフォークオイルも交換します。
フォークオイルは漏れによって減っている可能性が大ですし、パーツの摩耗によって鉄粉が入り込んでいたり、錆が混じってしまったりすることが多いです。
そのため、同時にフォークオイル交換もしておいた方が良いのです。