マスツーリングのマナー

マスツーリング

自分勝手な行動はNG!集団走行で大切な協調性

気の合う仲間たちと一緒に走るマスツーリングは、バイクの楽しみを何倍にも広げてくれる素晴らしい体験です。美しい景色を共有したり、インカムで会話を楽しんだり、休憩中にバイク談義に花を咲かせたりと、一人で走るソロツーリングにはない魅力がたくさん詰まっています。しかし、複数台で公道を走る以上、自分ひとりの都合で自由気ままに振る舞うことはできません。集団走行において最も大切なのは、仲間に対する思いやりと協調性です。

たとえば、急な進路変更や急加速、急ブレーキといった予測不可能な動きは、後続車を危険にさらす原因になります。また、自分はまだガソリンが残っているからといって給油を後回しにしたり、断りもなく勝手に列を離れてコンビニに入ったりするのもマナー違反です。基本的には、航続距離が最も短いバイクや、運転に不慣れな初心者のペースに全員が合わせるのが鉄則です。出発前にルートや休憩ポイントをしっかりと共有し、無理のない計画で走ることが、トラブルなく全員が笑顔で帰宅するための第一歩となります。

安全確保のための隊列「千鳥走行」をマスターしよう

マスツーリングには、安全に走るための基本的な陣形が存在します。それが千鳥走行と呼ばれる隊列です。これは、バイクが一列に真っ直ぐ並ぶのではなく、左右交互に位置取りをして走る方法のことを指します。先頭のライダーが車線の右寄り(キープレフトの範囲内)を走り、2番目のライダーは左寄り、3番目のライダーは再び右寄りといった具合に、ジグザグに並んで走行します。

この陣形の最大のメリットは、前のバイクとの車間距離を詰めつつも、安全な制動距離を確保できる点にあります。万が一前のバイクが急ブレーキをかけても、直後を走るバイクとは左右に位置がズレているため、追突するリスクを減らすことができるのです。また、隊列全体の長さがコンパクトになるため、信号待ちで分断される可能性を減らす効果もあります。ただし、カーブの多い山道や道幅の狭い道路では無理に隊列を維持する必要はありません。カーブでは安全なライン取りを優先するために一列棒状の隊列に戻り、直線道路に出たら再び千鳥走行に戻すといった臨機応変な対応が求められます。

もしもはぐれてしまったら?事前のルール作りが鍵

台数が多いツーリングで頻繁に起こるトラブルが、信号の変わり目や渋滞などで隊列が分断され、はぐれてしまうことです。先頭集団についていこうと焦って無理な追い越しをしたり、黄色信号で加速したりするのは事故の元であり、絶対にやってはいけません。こうした事態を防ぐためには、出発前にはぐれた時のルールを明確に決めておくことが重要です。

一般的には、もし後ろが信号に引っかかったら、先頭集団は安全に停車できる路肩やバス停を見つけて待機するか、直進し続けて次のわかりやすい目印やコンビニで合流するといった取り決めをしておきます。最近ではインカムやスマートフォンの位置情報共有アプリを活用するグループも増えていますが、通信圏外になる山間部を走ることも多いため、デジタル機器に頼りすぎるのは禁物です。最終的な目的地や休憩場所さえ全員が把握していれば、途中で離れ離れになっても焦る必要はありません。はぐれても次の休憩所で会えるという安心感があれば、心に余裕を持って安全運転を続けることができます。